僕がちっちゃいころ
海でさ 背中に僕をのせて
平泳ぎでカメさんしてくれたね。
山行った時さ
川から突き出た岩の上歩いてて
僕が足ふみはずして バランス崩した時
つかんでくれたよね。僕の腕を“ガシッ”って。
今でも覚えてる。
忘れへんよ ありがとう
「ビジネスは何でもありの世界。
だけど嘘ついたら
嘘は天につば吐くんと一緒で
自分にかえってきよる。」
って教えてくれたね。
いつだったか
僕のこと突き飛ばして
1cmくらい月光仮面みたいな傷ができて
でも お父さん ごめんしなかったね。
今でも残ってる。
一生残る傷やけど
なんか嬉しいねん。
会話のない親子やったから
お父さんと語りあったことないなぁ。
だけど手術して 声出なくなっちゃったね。
お父さんが病気になって
はじめて手つないで歩いた。
腕相撲くらいしか 触ったことない手。
俺は外で頑張って働いてるんやから
家の中ではお父さんの顔するんやーって
思ってたんかなぁ?
僕もややこしい子供やったから
お父さんすん(する)の疲れたんかな。
もっと 笑顔を見たかった
もっと 話 をしたかった
「ただいま」って言っても「おかえり」言ってくれへんし
「おかえり」って言っても「ただいま」言ってくれへんかったけど
好きやってんで ほんまは
お父さん
今でもな